「好きです」
「知ってる」
「本当に好きなんです」
「知ってるって」
「本当に本当に好きなんです」
「ほら」
渡されたのは、大学芋。
違う。
これじゃない。
「まぁ食えよ」
「嫌いです」
「そうか」
「あなたなんか嫌いです」
「俺も嫌いだ」
「・・・・・・」
「泣くくらいなら言うな!」
「好きなんです・・・・・・」
詰まる相手に、近づく。
顔をのぞき込む。
「傍にいては、いけませんか」
「・・・・・・お前、其処に横になれ」
「・・・・・・屋根の上ですけど」
「お前、俺のことが好きなんだろ」
「・・・・・・はい」
疑問符に包まれながら、青空の下、横になったライドウは、胸のあたりに不意に加わった重みに、どきっとした。
「あ、あのう」
「昼寝する」
「は、はぁ」
「お前も寝ろ」
「今日の使命は?」
「真面目だなぁお前。たまには、さぼれよ」
「いや、あの」
「お休み」
勝手にすぅすぅ寝息を立て始めたゴウトに、ライドウは戸惑う。
僕の恋は、実ったのだろうか。

暫くして。
おずおずと手を伸ばして。

黒い毛玉を、すっぽり手の中に入れたのだった。







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乙女すぎて此方がダッシュしたくなりました。
たっけてー。

2008.1.22